日本草木錦葉会について

美しい草花を愛でる心というものはおそらく人の本性に根付いたもので、化石の時代から埋葬の際には花が手向けられていた証拠などもみつかっています。人々の発展とともにそうした心もやがて園芸として発展し、世界各地で美しい花々が栽培されるようになりました。

とりわけ日本では、園芸が非常に盛んかつ熱心に行われている印象を受けます。とくに、江戸時代に蒐集された様々な種類の草花やそれを記した図譜を見るにつけ、種類の多様性だけでなく貧富貴賤の別け隔てなく発展した園芸文化の素晴らしさに思いを馳せることができます。

そして、こうした園芸の粋とも言える珍品稀品の多くが、多くの愛好家のお陰で現代にまで受け継がれていることにも驚きを禁じえません。もちろんそれぞれのジャンルで流行り廃りはあり、なかには絶種しかけたり、一度は絶えたものの趣味家の努力で再び作出されたものなど紆余曲折はあるものの、どのジャンルも現代まで愛好家に愛されている植物たちばかりです。

まさに文化の保存とも言えることだと思いますが、こうしたことも数多くの愛好家の努力の賜物で、きちんと手をかけ、目を向けてやらなければ消滅してしまうものです。

日本草木錦葉会はその名を借りた水野忠暁の「草木錦葉集」の精神を受け継ぎ、あらゆる珍品稀品を受け継ぎ、より広めていきたいと思う有志によって2017年に発足しました。さらに水野忠暁の精神を現代に発展させ、江戸以来の古典植物だけでなく、世界中のジャンルを限定しない多種多様な珍品稀品を世に広める一助になりたいと思っています。

ガーデン樹の里 鈴木祐司

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